希少遺伝性疾患のスクリーニング検査は、2種類あります。
アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)は、
希少遺伝性疾患検査を主目的とした衛生検査所です。
希少遺伝性疾患の検査は、
(1) 新生児に遺伝性疾患の可能性があるかを検査する「スクリーニング検査」
(2) スクリーニング検査で疾患の可能性があると判断された場合に疾患の有無を確定させる「遺伝学的検査」
(3) 治療開始後、治療の効果・改善状況を判断するためのモニタリング検査である「バイオマーカー検査」
大きく以上の3つに分けられます。
さらに(1)の「スクリーニング検査」の中でも、
(1) -1. 日本出生の全新生児に無償で実施される「新生児マススクリーニング」
(1) -2. 新生児マススクリーニング対象外の疾患に関して希望者が有償で受けられる「拡大新生児スクリーニング」 の2つがあります。
無償で実施する、「新生児マススクリーニング」とは
新生児の先天性代謝異常等の病気を見つけるための検査。
日本で出生したほぼ全ての新生児に対して、自治体の公費負担で実施。
「新生児マススクリーニング検査」は、「フェニルケトン尿症」という先天性代謝異常症の早期発見を目的に、
米国で始まり、日本では1977年に「新生児マススクリーニング検査」が正式に開始。
当初は2疾患のみだったが、現在は20疾患(+α)を検査対象としている。
※先天性代謝異常
生まれつきの原因により、食べ物に含まれる栄養素の代謝がうまくできなかったり、ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりする異常のこと
【新生児マススクリーニングの検査対象となる20疾患】
| 分類 | 疾患名 |
|---|---|
| アミノ酸代謝異常症 | ①フェニルケトン尿症 ②メープルシロップ尿症 ③ホモシスチン尿症 ④シトルリン⾎症1型 ⑤アルギニノコハク酸尿症 |
| アミノ酸代謝異常症 |
⑥メチルマロン酸⾎症 ⑦プロピオン酸⾎症 ⑧イソ吉草酸⾎症 ⑨メチルクロトニルグリシン⾎症 ⑩ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)⾎症 ⑪複合カルボキシラーゼ⽋損症 ⑫グルタル酸⾎症1型 |
| 脂肪酸代謝異常症 |
⑬中鎖アシルCoA脱⽔素酵素(MCAD)⽋損症 ⑭極⻑鎖アシルCoA脱⽔素酵素(VLCAD)⽋損症 ⑮三頭酵素(TPF)⽋損症 ⑯カルチニンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(CPT1)⽋損症 ⑰カルチニンパルミトイルトランスフェラーゼ-2(CPT2)⽋損症 |
| 糖質代謝異常症 | ⑱ガラクトース血症 |
| 内分泌疾患 | ⑲先天性甲状腺機能低下症 ⑳先天性副腎過形成症 |
有償で実施する、「拡大新生児スクリーニング検査」とは
「新生児マススクリーニング検査」の対象外の疾患について、
(有償で)希望者を対象に、希少遺伝性疾患の可能性の有無を調べる検査
※全国一律ではなく、一部の自治体・団体(医療機関等)が実施しており、対象疾患も各地で異なる。
※原則、患者自己負担(一部の自治体では助成金を出している所もある)
【拡大新生児スクリーニングの主な対象疾患】
| 疾患名 | どんな病気か | 症状 |
|---|---|---|
| ムコ多糖症Ⅰ型※2 | これらは、ライソゾーム病といわれる。 ライソゾーム病では酵素が先天的に⽋損しているため、⽼廃物の分解が滞り、(ムコ多糖やグリコーゲンなどの)中間代謝産物がライソゾーム内に蓄積して、様々な症状を引き起こす。 ※ライソゾームは細胞内⼩器官の1つで、体内の⽼廃物を酵素の働きで分解する「⽣体のゴミ処理機」 |
視力低下、知的障害、⾻の変形、中⽿炎、精神運動発達遅滞、神経退⾏、閉塞性呼吸障害、⼼臓弁膜症など |
| ムコ多糖症Ⅱ型※2 | ||
| ムコ多糖症ⅣA型 | ||
| ムコ多糖症Ⅵ型 | ||
| ムコ多糖症Ⅶ型 | ||
| ファブリー病 | 小児期: ⼿⾜の痛み、発汗障害(汗をかきにくい)、発疹など 成人してから: ⼼臓や腎臓の機能障害、脳出⾎障害、聴覚低下など |
|
| ポンペ病※2 | 重篤な筋力低下 | |
| ゴーシェ病※3 | 肝臓や脾臓の肥大化、けいれん 骨の痛み、発達の遅れ、貧血、斜視 |
|
| ニーマンピック病A/B型※3 | 筋力低下、発達障害(A型)、けいれん、手足のつっぱり、貧血、出血しやすい | |
| クラッペ病※4 | 易刺激性、哺乳不良、発達の遅れ、麻痺、失明、難聴 | |
| 副腎白質ジストロフィー(ALD) | 細胞のなかのペルオキシソームにあるALDタンパク質が先天的にないことが原因で、脳と副腎に異常が起こる進⾏性・遺伝性の疾患 | 学習障害、⾏動異常、歩⾏障害、視⼒・聴⼒低下、⾊素沈着など |
| 脊髄性筋萎縮症(SMA)※1 | 筋⾁の動きを調節するための運動神経が障害される遺伝性の病気。 脊髄にある神経細胞が変化または消失してしまうことが原因で、全⾝の運動機能が障害される |
筋⼒低下 筋萎縮 歩⾏障害の症状があり、加齢とともに悪化する |
| 重症複合免疫不全症(SCID)※1 | 免疫不全症(免疫が機能しない病気)のなかで最も重いタイプ。 ⽣まれながらにして⾝体を守る重要な免疫細胞(T細胞)が作られず、出⽣早期から重い感染症に罹患する病気。 |
出⽣早期から肺炎、下痢、中⽿炎、⽪膚感染症など様々な感染症に罹患する |
| アデノシンデアミナーゼ欠損症 | アデノシンデアミナーゼという酵素の機能が欠損していることで、細胞内に代謝物が蓄積して、免疫機能に重要なリンパ球が障害されることが原因で起こる免疫不全症。すべての重症複合免疫不全症のうち、15%を占めると考えられている | 肺炎、下痢、体重増加不良、易感染性 |